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「強み」を活かす子育てとは?

ポジティブサイコロジーの理論を基にした子ども達に対する心理支援は、「ただエネルギーが溜まるまで見守りましょう」という従来のカウンセリングとは異なり、子どもたちの「強み」にフォーカスしながら面談を進めていくものになります。今回は「強みを活かす子育てとは何か?」についてお話したいと思います。

皆さんは、「強みを活かす子育て」と聞くと、どのようなことを思い浮かべるでしょうか?例えばお子様がサッカーが得意なら、サッカーばかりやらせることでしょうか?ピアノが得意ならピアノばかりやらせることでしょうか?もしゲームが得意で勉強が苦手であれば、勉強は無視してゲームばかりやらせることでしょうか?往々にして「強み」にフォーカスと聞くと、「得意なことばかりやらせること」だと思われる方が多いのではないかと思います。

「でも、うちの子、何も特技なんてないし・・・」「そんなゲームばかりさせたら甘やかしじゃないの?」

このような疑問を抱かれる親御さんもいらっしゃるのではないかと思いますが、「強みを活かす子育て」とは、実はこのようなことでは全くないのです。「強みを活かす子育て」とは、お子さんの弱みを無視する子育てではなく、「うまく行っている部分から取り組んでいく子育て」を意味します。

生き物の脳は危険をいち早く察知して生き残るために、そもそもネガティブなものに引き寄せられるという性質をもっています。ですからついついお子さんのネガティブな部分や不安材料に目がいきがちになるのは仕方ないことなのです。皆さんも小さい頃、テストの点数が80%は良かったのに、20%の部分が悪かった時、食卓では良かった80%の部分よりも、20%の部分ばかりが会話の話題に挙がったご経験はないでしょうか?

この出来ていなかった細かい部分を修正して高みを目指す練習は「Deliberate Practice(計画的訓練)」と呼ばれ、一流のアスリートや芸術家が更なる高みを目指すためにしていることで、一流のアスリートと同じように、自発的に目的も目標も明確にもっているお子さんにとっては非常に重要なアプローチになります。しかし、これはそもそもの前提が「自発的に目的も目標も明確にもっている」場合です。

反対に、自発的に目的も目標も明確にもっていないお子さんにとって、このように出来ていない部分から入るアプローチは、彼らのやる気を下げ、継続的に行動することが困難になるケースが多いようです。またこれは何もお子さんに限った話ではなく、社会に出ても、部下のモチベーションを無意識に下げ続けている上司に共通していることなのです。「強みを活かす子育て」とは、この良かった80%の部分をただ褒めるのではなく、しっかり分析させる子育てです。

「この80%の部分、なんでうまく行ったと思う?どんなことしたの?なんでそんなことしようと思ったの?」

このように「今うまく行っていること」や「良い部分」をお子さん本人がしっかり分析できるように仕向けてあげれば、お子さんはそこから自分の勝ちパターンを学び、徐々にそのパターンを用いて自分が苦手なことに応用できるようになってくるからです。

人間は私たちが思っている以上に複雑な生き物です。今、不登校やひきこもり状態、もしくは学校の中で問題行動があるお子さんを見ていると全てがうまくいっていない、全てがダメだと評価してしまいがちになります。しかし、どんなお子さんにも、いかなる状況でも、「うまくいっていること」「良い部分」は必ずあります。もしそれが今見つけられないのであれば、お子さんの問題ではなく、親御さんご自身の見方が偏り過ぎている可能性が大であると断言できます。「強みを活かす子育て」は、豪州のLea Waters教授を中心に、この10年弱で急速に研究が進み、子どもの心理状態にも影響があることが明らかになってきました。

お子さんのうまく行っている部分や良い部分に気付くためにも、常にお子さんと顔を合わす前に「この子の何がうまくいっているのか?」と自問されて会話をし始めてみませんか?

「今のお子さんのうまく行っている点は何ですか?」

とりあえず、5個は挙げてみてください。

さあ、何に気が付きましたでしょうか?