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「学校に行く」と言ったのに行かない

不登校やひきこもりのお子さんが一体何を考えているのかを知りたい。どんな心理状態なのか知りたい。そのようにお思いになられることもあるのではないでしょうか?ここでは不登校やひきこもりのお子さんによくある「明日は行く」と言ったのに「行かない」心理状態を探っていきたいと思います。

「明日はどうするのよ?」と不登校やひきこもりのお子さんに聞いてみると「明日は行くから」と返答される、にも関わらず、翌朝になるとやっぱり行かない・・・そのようなご経験はないでしょうか?行くと言ったのに行かない、期待していたのに裏切られた、このようなある種の失望感を感じご経験された親御さんもいらっしゃるかと思います。実はこの「行く行く詐欺」は不登校・ひきこもり業界では「あるある」のお話で 、実は以下の行動変容のステージを知っているとお子さんの心理状態に合わせて冷静に対応することが出来るのです。

心理学のある理論では、人の行動が変わる時、5つのステージがあると考えられています。

「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」

簡単に説明すると、

「無関心期」=「変わる必要性すらわかっていない状態(例:この引きこもりの状態のままでいいじゃん)」

「関心期」=「変わる必要性があるとわかってきた状態(例:ちょっとこの状態から脱出した方がいいかも)」

「準備期」=「変わるために心の準備をしている状態(例:脱出するためには△△△をする必要があるな)」

「実行期」=「変わるために行動を起こす状態(例:よし△△△△をやろう)」

「維持期」=「慣れるまで実行し続ける状態(例:今、しんどいけど慣れるまでもうちょっと我慢しよう)」

この行動変容ステージから不登校・ひきこもりのお子さんの言動を観察すると、彼らの言葉に「騙されなく」なり、冷静にお子さんの心理状態に合わせて対応できるようになるのです。例えば、不登校・ひきこもりのお子さんが「行く」と言っても、その背景は、実はまだ「無関心期」の心理状態であれば、(なんで行かないといけないんだよ。面倒臭いから「行く」って言っておけばいいか)という思いから「行く」と言っているのかもしれませんし、「関心期」であれば、(行かないといけないのはわかっているけど無理無理、とりあえず「(いずれ)行く」と言っておこう)という気持ちで「行く」と言っているのかもしれません。

人が行動を変えるためには、この5つの心理状態のステージをしっかり上がっていく必要があります。不登校やひきこもりのお子さんの「行く」という発言は必ずしも「実行期」の心理状態からくるものではない場合があるため、ぜひお子さんの心理状態が今どこにあるのか、冷静に観察されることをお勧めします。

因みに「ただ待ちましょう」「見守りましょう」の従来の不登校・ひきこもり支援のアプローチは「準備期」のお子さんにとって非常に有効かと思いますが、「無関心期」「関心期」の心理状態のお子さんにとっては、ただ月日だけが過ぎてしまうというケースもあります。不登校やひきこもりのお子さんにとって「環境」や「タイミング」も重要な要素となりますが、不登校やひきこもりのお子さんの心理状況が「無関心期」から「関心期」、そして「準備期」へと移行するのは魔法のように起こるものではございません。そのため、お子さんの心理状況が今どこにあるのかを観察する中で探り、そのステージに合わせた形でお子さんに関わっていきたいものです。今のお子さんがどのステージにいるのか、そして、そのステージではどのような関わり方が適切なのか、なかなかご自身だけで思い浮かばない時は、一度、SSBE解決志向アプローチ講座にお越しください。きっとその見極め力が身につくと思います。