SSBEのロゴ

INSPIRADOのロゴ

English

BLOG

先生が不登校の生徒と電話で直接お話しする際

学校で今、担任をもたれている先生は、不登校の生徒さんがいるご家庭に直接、電話でお話するご機会があるかと思いますが、そのような場合、何についてお話をした方がよいでしょうか?今回は、学校の先生が不登校のお子さんと直接、お電話でお話ができる時の話題について、一緒に考えていきたいと思います。キーワードは「具体性」です。

生徒さんの状況や環境によって、勿論、一概に言えることではないのですが、私はもし直接、生徒さんとお話できる機会があるのなら、他の生徒さんの状況もプライバシーを保護した上で具体的に伝えることをお勧めしています。なぜなら、不登校になると、生徒さん達は「他の友達はうまくいっているのに自分だけが遅れてしまっている」と思い込みやすく、孤立感から一人、部屋の中でますます「自分はもう駄目だ」と考えてしまう傾向にあるからです。「こういう状況になっているのは自分だけじゃないんだ」と思えるように、クラスに今、不登校の生徒さんが何人いて、今、学校に通っている生徒の中にもまだ不安定な子もいること等、同じ状況の生徒さんのお話をしてほしいなと思います。

「自分だけじゃない」という感覚は不登校の生徒さん達の気持ちを楽にしてあげることができます。そして、このホッとした気持ちや安心感が腰をあげるための動機に繋がっていきます。これはポジティブサイコロジーのセルフ・コンパッション(自己への思いやり)の考え方に基づいているのですが、自己批判をよくしてしまう人は、「なんで自分だけ」と孤独感を感じやすいのに対して、自分に対しても思いやりをもつことができる人は、「皆もそうだし、誰にでもあることだ」と他者との一体感を感じやすいと報告されています。

先生というお立場上、やっぱり生徒さんには学校に戻ってきてほしい。でも、無理矢理に戻すのもその子を追いつめてしまうかもしれない。だからと言って、ゆっくり休んでいいよとも中々言いづらい・・・。不登校のお子さんとお電話でお話する際、何を話せばいいのか悩んでいる先生方も多くいらっしゃいます。もし不登校の生徒さんに具体的に何をお話すればいいのか分からない場合、是非、状況に応じて、他の生徒さんの状況をお伝えし、「自分だけじゃないんだ」という一体感と安心感をもたせてあげるようなお声がけをしてあげてほしいなと思います。