不登校生がいる担任の先生ができること
中学・高校の担任をされていて、生徒が不登校になった場合、担任の先生はどのように対応すればよいのでしょうか?ポジティブ心理学を中学校や高校の先生に教える機会が多く、よく学校の先生方と関わらさせて頂きますが、一人で30人も40人もの生徒を担当しなければならないシステムの中で、本当に忙しい毎日を送っていらっしゃいます。「不登校」と言っても、その生徒の背景や状況、経緯は様々ですので、一概にお伝えすることはできませんが、担任の先生にとって、もしかしたら役に立つかもしれないという点をお話させて頂きます。
お子さんが不登校になった時、保護者の方は朝、欠席連絡を学校側にしなければいけません。これがかなり親御さんにとって負担になるのです。共働きが当たり前となっている社会において、親御さんご自身も職場へ行く準備がある中、お子さんに「今日は学校行くの、どうなの!?」と毎回、確認しないといけず、返事がない場合、感情的なイザコザが親子間で起こり、学校側に「すいません」と謝りの電話をしないといけない・・・。朝の忙しい時間帯にしないといけないこともあり、このタスクは塵も積もれば山となるように、心理的負担がかなりかかることが多いのです。
一方、担任の先生側も朝の忙しい時間帯に、教師としての誠意から欠席の生徒さんには「忘れられていないよ」と毎回、電話をした方がいいと思われている、もしくは、保護者からのプレッシャーで電話をしないとクレームが来ると思われている先生も中にはいらっしゃるかもしれません。しかし、善意でかけた先生のお電話に「嬉しい」と思う子もいれば、余計なプレッシャーとなり、心理的負担となる子もいらっしゃる・・・。親御さんと先生が互いにバタバタしている時にされる電話越しのやり取りがお子様の気持ちを置き去りに、実はお互いの負担になり、負のスパイラルに陥ってしっていることがよくあるのです。お互い、自分の時間を犠牲にして、そのお子さん、生徒さんのことを思っての行動であるのに、もしそのような状況になっていたら、とても勿体ないことです。
勿論、全てのケースがそうではないと思いますが、もし今、上述のような状況になっていれば、一度、保護者の方に対して、① 先生ご自身の電話によって、生徒さんに余計なプレッシャーがかかっていないか、② 親御さんにご負担がかかっていないか、また③ どのくらいの頻度でお電話を差し上げた方がいいかをお伺いされてみるのはいかがでしょうか? ご家庭によって朝の電話の必要性は異なるかと思いますので、先生とその保護者の方との間でどれくらい必要かを、一度お話されてみてはいかがでしょうか?